老後不安の解消に「長く働くこと」がやはり有効 – お金以外のメリットも

「老後の資金を十分貯蓄できるか不安…」「定年後の生活費は足りるだろうか…」

老後に向けてそんな様々な心配をもつ人が多いでしょう。

 

生命保険文化センターの調査によると、老後に不安を抱く人がのうち、「公的年金だけでは不十分」が80.9%、続いて「日常生活に支障が出る」が57.2%、「自助努力による準備が不足する」が38.1%、「退職金や企業年金だけでは不十分」が36.7%となっています。
(出典 (公財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度より)

 

一口に老後の不安と言っても人によって色々ですが、やはり代表的なものは間違いなく「お金」のことだと言えそうです。

「定年までに○億を貯めて、利息収入を得ながら暮らす」
- そんな生活には誰もが強く
憧れますが、ほとんどの人にとって現実的ではありません。

では、どうすればよいか?

結論から言うと、やはり多くの人にとって、「長く働く」というのが最も確実な不安解消方法だと言わざるをえません。

このように言うと、
「やはり年老いても、老体にムチ打って働かざるを得ないのか…」
と思われてしまいそうですが、ここであらためて考えてほしいのです。

老後も働くというのは、それほど悲観すべきことなのでしょうか?

今回は、長く働くことにどのようなメリットがあり、不安解消につながるかを述べていきたいと思います。

 

老後も仕事をすることで得られるメリット

老後も仕事をすることで得られるメリット

定年後も長く働き、収入を得て必要な生活費などに当てることで、お金の不安をある程度和らげることができます。

老後資産を取り崩すのは非常に心細いもの

例えば、65歳で完全リタイアするまでに、老後資金として2,000万円を準備でき、その後85歳まで20年間生きたとします。

 

2,000万円を20年で取り崩していくと、運用収益を考慮せずに単純に考えると、1年につき100万円、ひと月では約8万円ほど支出に回すことができ、かなり余裕がもてそうです。プチ贅沢くらいはできるかもしれませんね。

また、ひと月の取り崩し額を少し押さえて6万円とした場合は、1年で72万円、20年間では1,440万円となります。残りの560万円は臨時支出のための備えとして、やはり、ある程度余裕をもつことはできそうですね。

 

ただ、医療費や税金はまず間違いなく上がり続けますし、全体の物価も上昇していく可能性が高いことを考えると、想定より取り崩し額を増やさざるを得ないケースも出てきます。

また、家の修繕やリフォーム費用、子への援助等で大きな支出が必要になることも十分考えられます。

もちろん、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった大型家電製品の買い替えが必ず発生することも忘れてはいけません。

さらに、85歳よりも長く、例えば90歳、100歳まで生きるという可能性も十分あるのです。

 

…そう考え出すと、心配のタネは尽きません。

老後に備えて貯蓄に励み、ある程度の資産形成をしたとしても、取り崩すことで資産はどんどん小さくなっていきます。

 

そんな日々残高が減り続けていく通帳を見る時のことを想像してみてください。

その時に感じるのは、「心細い」といった程度ではなく、自身の寿命が削られていくにも似た「恐怖」かもしれません。

 

仕事による定期的な収入が老後の不安を和らげる

そこで、公的年金を定期的な収入の柱としつつ、さらに仕事による収入も加えて、この資産取り崩しのスピードをできる限り緩やかにするのです。

 

欲を言えば、日々の生活費は赤字にならないように努め、資産は臨時支出に備えてそのまま取り崩さないでおけるのが理想です。

年金以外に定期的なフロー収入があれば、資産の減少からくる老後不安を和らげるのに大いに役に立ちます。

 

仮に、毎月5万円の収入を上乗せできれば、税金や年金受取額の減少を考慮せず単純に考えると、1年で60万円、5年続ければ300万円です。

これだけ稼げれば、大きな出費に備えることもできそうです。

健康な人であれば、「毎月5万円の収入を5年間続ける」というのは、それほど難しくないのではないでしょうか。

 

持ち家か賃貸か、住宅ローンの支払はあるか、子供は独立しているか等により、定年後や老後に必要となる収入・支出額は人によってさまざまですが、基本的な考え方としてぜひ心に留めてほしいと思います。

 

老後にも働くと、こんなメリットもある

老後にも働くと、こんなメリットもある

人とのつながりや充実感を得られる

業務負担が大きく、忙しい現役時代ではあまり感じることがないかもしれませんが、仕事は社会とのつながりをもてる重要な機会になります。

また、引き続き業務に活かせる知識やスキルを有していれば、周囲から頼られる機会も多く、「自分が必要とされている」との充実感を得ることもできるでしょう。

特に一人暮らしの人、いわゆるおひとりさまの場合は、仕事がないと、一日の話し相手はテレビとペットとコンビニ店員だけ…ということもあり得ます。

現役の時には思いもよらなかった、寂しいとの気持ちが芽生える人も多いはずです。

 

意外にストレス解消にもなる

仕事に没頭しているときには、他のことを考えない時間でもあるので、不安からのストレスを忘れることもできます。

 

私も、家庭で夫婦喧嘩や子供の心配ごとがあっても、オフィスで仕事に没頭しているときにはすっかり頭から抜けています。(苦笑)

業務終了後に、「あれ?何を心配していたんだっけ?」「何であんなことに腹を立てていたんだ?」と思うことが度々あり、ある意味、仕事を通じて不安やストレス解消ができていると言えるかもしれません。

 

知識やスキルを磨く機会をもてる

引き続き、仕事を通して知識やスキルを磨く機会を持つことができます。

人の集まる場所には当然情報が集まりますし、話を聞ける機会も増えます。

誰しも、たまたま他の人から聞いた話が役立ったり、刺激を受けて新たな気づきにつながったりした経験があるでしょう。

私の最近の例ですが、
「ウェブ解析のために、GoogleサーチコンソールやGoogleタグマネジャーを自分で使いたいな」
と思ったことがあり、詳しい同僚に基本的な操作方法を15分ほど教えてもらいました。

それだけですぐに自分で操作できるようになり、その後実際に使ってみることで、新たな知見を次々に得られるようになったのです。

もし自分で一から調べようとしたら、設定やログインだけでもつまづいて、大変な時間がかかったでしょう。

今では同僚との議論を通じて新たなアイデアを得ることもでき、ウェブ解析やウェブマーケティングに関する知見が深まったと感じています。

 

*それがきっかけとなり、ウェブ解析士の資格も取得しました。詳しくは以下の記事をどうぞ。

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また、企業内では、個人ではなかなか接することができない情報にも触れられる機会があります。会社の新しい取り組みや導入する制度から、世の中のトレンドを知ることもあるはずです。

例えば、私の勤める会社では、がんや介護、認知症、LGBTに関するセミナー・研修等が定期的に開催され、新しい知識を得る機会が数多くあります。

 

健康にもよい影響が期待できる

定年後も働く場合は、決められた勤務時間での就業が一般的でしょう。短時間勤務や週3日や4日の勤務というケースも考えられます。

決まった日時に出勤することは、規則正しく一日を過ごすことにもつながりますし、適度なストレスがあった方が、いわば張り合いがある状態となり、自分のやる気を引き出すことにも役立ちます。

 

また、出勤するにも駅まで歩いたり、駅の階段を上ったりと、意外に体力を使うものです。
老体にはキツい…という面は確かにあるでしょうが、運動する機会と前向きに捉えることもできるかもしれません。

実際、スポーツ庁はスニーカーなど歩きやすい服装での出勤を推奨する「スニーカー出勤」を打ち出しています。

日頃特別な運動をする習慣のない私は、出勤途上で意識的に階段を使う機会を増やす、歩く距離が長い経路を選ぶなど、ほんの少しだけですが運動の機会となるようにしています。

 

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まとめ  – 人生が長くなれば、働くのが長くなるのも自然な流れ

70歳定年制は本当に悪い制度?

近年、70歳定年の是非が議論されるようになっています。

導入に反対する意見として「70歳まで働かせるつもりなんてひどい!」と憤る声もあるようですが、感情論で語るのはいかがなものかと思います。

私自身は、働く場が長く提供されるのは悪いことではなく、要は、いつまで働くかを個人が選べるようにすればよいのだと考えます。

もちろん、60歳、65歳でリタイアしたい人が不利にならないように、政府や企業には適切な制度設計を期待したいところです。

 

長い人生、よく働き、よく遊び、よく生きよう

「よく働き、よく遊ぶ」とはよく耳にする言葉ですが、多くの人にとって人生が長くなった分、その言葉が老後にも当てはまる時代になったと考えればよいのではないでしょうか。

私自身は、無理せずほどほどに働けるなら、今まで培ってきた経験を活かして60代、70代で仕事を続けるのもそれほど悪くないなと思っています。

もし定年までに何億円もの資産形成に成功したら気が変わるかもしれませんが…、今のところ望み薄です。(笑)

医者や弁護士、税理士など高度な専門職では高齢でも働き続ける人が多いのは、その経験やスキルを世の人に求められているからという側面も大きいはずです。

 

会社員も、「今後もぜひ働き続けてほしい!」と言われるだけのスキルを磨き、仕事を続けるかどうかを自分で選択できる社会になってほしいと考えています。

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