リスキリングとは?中小企業診断士が徹底的に分かりやすく解説!

リスキリング」という言葉、今や毎日見聞きするようになった感があります。

 

多くの企業が重要な課題として挙げている昨今ですが、リスキリングとは何なのか、何をすればよいのか、様々なサイトや記事を読んでも、その本質はなかなか見えてこない…それが多くの人の感想ではないでしょうか。

少なくとも、単なる資格の取得など同義ととらえるのは不十分です。

 

なお、私自身、日々リスキリングに取り組んでいると自負しています。

IT、デジタルマーケティング、英語…どれもよりよい業務遂行に必須でありからこそ、毎日学びを続けている訳です。

そこで今回、中小企業診断士でもある私ホズが、自身の経験も踏まえて、リスキリングの本当の意味を徹底的に分かりやすく解説します!

 

リスキリングとは?【経済産業省サイトの資料をもとに】

経産省のサイトにある資料によると、リスキリングの定義は以下の通りです。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf

 

簡潔な説明で、難しい表現は使われていませんが、このままではまだピンと来ませんね…。

では、この定義を分解して、さらに詳細を確認していきましょう。

 

「新しい職業に就くために」の意味は?

ここでは、単に新しい職に就くという意味だけでなく、政府としては人材が余っている分野・業界から、人材不足の分野・業界への再配置を促す意図があると考えた方がよいでしょう。

 

実際、2022年10月の臨時国会における所信表明演説で、岸田首相は、「リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直し」や「企業間、産業間での労働移動円滑化」を後押しすると述べています。

 

もちろん、成長可否にかかわらず、世の中に必須の企業や業界は存在するのですが、あえて言うと、ここでは「将来性(成長性)のない企業や業界から抜けて、別の職業に就くことを促している」と理解する方がよさそうです。

 

「今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために」を解説

転職までいかなくても、「現在の企業内でのビジネスモデル転換、新事業への参入を促進し、従業員も重点配置する」という意味でしょう。

そこには「現在所有するスキルでは対応できない状況」との前提があります。

 

「必要なスキルを獲得する/させること」を解説

スキルとは本来「手腕、技量のことで、訓練や教育によって獲得する特殊な技能や技術」というもの。とりわけ、高度なもの、役立つものを指すことが多いですね。

 

ここでは、以下の2通りの見方があります。

  • 従業員目線 …真に必要なスキルを身に付ける
  • 企業(経営者)目線 …新たなスキルを促す環境づくり、社員教育への投資

 

いずれにしても、新たな職または現在の職で必要となるスキルを学ぶことが重要であり、「個人の関心に基づいて、好き勝手に何でも学んでよい」という訳ではないことに注意しましょう。

その点は、リカレント教育や学び直しとは異なります。

 

リスキリングで『デジタル』が語られる多い理由は?

リスキリングで『デジタル』が語られる多い理由は?

リスキリングといえば、デジタルを学ぶことと一体化している印象すらあります。

デジタル化の波が大きすぎるがゆえに、「デジタル人材の育成」との文脈で語られることが多くなっている訳です。

実際「○○年までのデジタル人材が○○万人不足する!」といった趣旨の記事はよく目にしますよね。

 

ビジネスを考える際に、デジタル面を考慮することが必須に

まず大前提として、ビジネスモデルを考える際には、私たちの社会基盤を構築しているデジタルについての知識・スキルが不可欠となっていることを理解しましょう。

 

コロナ禍で激変した環境下では、例えば、リモート会議やリモートセールス、オンラインセミナー等はごく一般的なものになりました。

さらに、宣伝・広告、集客、フォローアップ、ナーチャリング、クロージング、アフターフォローまで、各フェーズにおいてオンラインを前提にする必要も出てきました。

顧客もオンラインのサービスを当然のように期待するようになっており、「私はデジタルやITのことは分かりません…」はもはや通用しません。

 

逆に、消費者行動でオンラインが主になる場面が多いと理解すれば、ニーズに先回りして応えたり、新たな市場を作り出すことも可能となる訳です。

 

このような状況下では、既存の延長では対応できず、オンラインの特性を理解してビジネスモデルを描いていくことが必須と言えるでしょう。

 

結局、何を学べばよいのか?迷ったら〇〇!

きわめて現実的な話をすれば、学ぶべきものは『仕事で新しい価値を生み出すのに必要になるもの』です。

自分に何が求められるかは、置かれる立場によって当然変わります。

となると、「自分で判断することが重要」との身も蓋もない回答になってしまうのですが、もし「自分は何をしてよいかわからない…」という場合、以下に挙げるものからまずはスタートしてみるのがおすすめです。

 

デジタル【基本情報処理、デジタルマーケティング・トレンドなど】

もはやITの力なしでは、どんなビジネスも成立しがたい世の中になりました。

それに伴い、私たちの社会基盤を構築しているデジタルについての知識・スキルが不可欠。

また、消費者自身がデジタル面のサービスを当然のように希望することも多くなっています。

 

ただし、デジタルやITと一口に言ってもさまざま。

基本情報処理、デジタルマーケティング、デジタルトレンド…自分に合ったテーマを見つけて取り組んでいきましょう。

必ずしもプログラミングまで自力でできる能力は必須ではありません。

自社のビジネスを発展させるうえで、デジタルを活用した全体スキームや適切なソリューションを検討できるようになるのが当面の目標となります。

 

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英語【これも重要なリスキリング候補】

さて、デジタルと並び、やはり英語の重要性にも触れないわけにはいきません。

実際に、私自身50歳を超えてからも本腰を入れて勉強を再開したように、リスキリング候補としては引き続き上位にくるものでしょう。

 

外国からの人材の流入、国境を超えたビジネスの増加といったトレンドが弱まることはありません。

実際、私の勤める会社でもオンライン会議など、外国との英語コミュニケーションがますます増加しています。

 

ネット上には無料の翻訳サイトやソフトも多数ありますが、これらを利用したとしてもこちらが伝えたいニュアンスを適切に伝えるのは非常に難しく、決して万能なものではありません。

インタラクティブかつタイムリーにやり取りできる英語力、やはり一つ上のビジネスパーソンを目指すには必要なものだと言ってよいでしょう。

 

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まとめ:リスキリングは価値を生み出すための手段

今一度、本記事でも述べたリスキリングの意味を振り返り、自分が何を、どのように学ぶべきなのかを考えてみましょう。

そのうえで、資格の勉強がリスキリングに役立つと判断すれば取り組むのがおすすめです。

例えば、客観的に保有資格やスコアを示すことで、会社にアピールすることが重要なケースもあるでしょう。

 

日本企業でデジタル人材の不足や英語力の欠如がよく取り上げられるのも、グローバルな競争力を維持するうえでの土台が心もとない状況からきているとも言えます。

 

社会や企業のトレンドや期待をしっかりと理解し、リスキリングにより新しい価値を生み出す存在となっていきましょう。

 

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